プリムスの #210 ストーブ、デートコードの刻印は M、1923年製です。
製造からほぼ 100年経っているわけですが、れっきとした現役です。
プリムスの #210は、製造期間がとても長いロングラン・モデルです。いつから導入されたのか、正確にはわかりませんが、私が確認している資料では、1908年のカタログには掲載されておらず、1914年のカタログには掲載されています。従いまして、その間のどこかで導入されたモデル、ということになります。
当時の「脚部」に着目しますと、
通称「ブン・フット」と呼ばれる Fixed Legs（画像２枚目①）は、プリムスでは #96 等で採用されていましたが、#210 で採用されていたか否かはわかりません。1914年から1920年頃までは「爪」のような形状の Fixed Legs。画像２枚目②1921年頃から1925年頃は、今回出品している形状の Fixed Legs。画像２枚目③（ただし、1922年にも「爪」タイプのものを確認していますので、21年から22年には重複期間があった模様です）1925年頃から、折り畳み式の Folding Legs、となっています。画像２枚目④
その他、1914年から1920年代半ばまで、燃料キャップ、ポンプ・ノブなど各パーツに変更箇所があります。
さて、#210 は、コンパクト、かつ、十二分にパワフルなストーブです。タンクの容量は１パイント、約0.5Ｌありますから、調理中に燃料不足となり困ることは無いでしょう。灯油なのでランニングコストも安く、キャンプでちょっとした調理をされる方には、お勧めのストーブです。
今回の出品に際して、改めて分解・点検・整備しました。NRV（ポンプの逆流防止弁）、ポンプ皮カップ、燃料キャップのゴム部、バーナー部のパッキン、ニップルなどを確認、必要に応じて消耗パーツを交換しました。燃焼は、画像のとおり快調です。
燃料は灯油です。燃焼する際には、アルコール受け皿が付いていますので、十分にプレヒートをして下さい。
収納缶のサイズは、概ね次のとおりです。横 17cm、奥行 13cm、高さ 9cm
装備などについて
タンクは全てブラス製。大きな凹みはありません。さすがに 100歳、小さな当たり傷はあります。
ポンプ・ノブは #96 のものに似た形状。導入当初からは、ほんの少し変更がありますが、1923年頃までの #210 のノブはこのような形状でした。
収納缶は #41 に採用されていたもので、上蓋の内側に風防が付いています。画像８枚目右下のようにストーブを入れると、かなりの風対策が出来ます。
ただ、#41用のゴトクは付いていませんので、風防を固定するには少し工夫が必要です。凹みはありません。塗装には画像のとおり、あちこちに傷があります。
燃料キャップに補修跡があります。よく点検しましたが、圧漏れはありません。
ウィンド・シールド（風防）は折り畳み式の鉄製。錆はありません。アルコール缶は鉄製。
プリッカー（掃除針）は、#4605、このストーブのニップルに対応したものです。レンチは鉄製、錆はありません。
その他は画像にてご判断下さい。
それでは、3rd Fixed Legs プリムス #210 ストーブ 1923年製、ほぼ 100歳の現役です。
是非、この機会にご入手下さい。
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