Windows 98SE と Windows 2000、さらには Windows XP、3 つのオペレーティングシステムを切り替えてマルチブート可能、そのうえ FM タウンズのソフトも動作可能な、90年代から2000年代初期のクラシックなゲームやアプリケーションを、幅広く楽しむことを想定したレトロゲーム向けノートパソコンです。
ベースとなったマシンは、富士通の『 FMV-BIBLO NB55L (FMVNB55L) 』です。「Microsoft Office 2003」インストールモデルです。
CRT に近い鮮やかな表示を実現した、スーパーファイン DX II 液晶の搭載をウリにした機種で、この時期のノートパソコン搭載液晶としては究極の高画質です。
内蔵スピーカーの音質も、かなり良質です。
Windows XP 世代の末期の、2005 年発売の製品で、富士通製ノートパソコンの中では、Windows 98 をインストールして安定動作させることができた、最後の機種となります。この機種より後の世代（型番末尾が M の機種以降）は、ドライバー不足で Win98 は動作しません。
Windows XP 末期の機種だけあって、XP が余裕で動くのみならず、Windows 98SE や Windows 2000 のようなクラシックなシステムを動かす場合には、過剰すぎるほどのハイスペックを誇るマシンです。特に Win98 用としては性能のほぼ上限に達しており、これ以上のスペックの機種ですと、不安定になったり、保護エラーが出て起動しなかったりするかと思います。
Windows98SE モードで動作させれば、90年代初期の Windows3.1 時代のソフトから、Windows 95、Windows 98、Windows Me 世代あたりの、最近のオペレーティングシステムでは動作しない、レトロなゲームの大部分が楽しめます。
後継の Windows Me は、かなり不安定で重くなっている上に、Windows 3.1 や 95 との互換性も低下していて、Windows Me では正常に動かない Win95、Win98 用ソフトが意外と多かったので、90年代ごろのクラシックなゲームを楽しむには、この Windows 98SE が最適です。
Windows 2000 は、Windows 98 の扱いやすさと Windows NT の高機能を併せ持った万能 OS で、完全32ビット化により、Windows98 を上回る安定性を持ったうえに、Windows NT の弱点であった、ゲームなどのマルチメディア系ソフトへの対応の弱さが改善されています。Windows シリーズで最も安定性が高く出来が良かったのは、個人的には、この 2000だったと思います。
あと、富士通つながりで、FM タウンズのエミュレーションソフトも入れてみました。FM TOWNSⅡMX の HDD 340MB モデルと互換性のある設定で動作します。
スペックは以下の通りです。
機種名：FMV-BIBLO NB55L型番：FMVNB55LCPU：Intel CeleronM 360メモリ：512 MB / DDR SDRAMチップセット：Intel 852GMグラフィック：1024x768ドット / 1677万色 / 15インチ液晶液晶：スーパーファイン DX II 液晶 / XGA / FLバックライト付高色純度高輝度低反射広視野角TFTカラーサウンド：SigmaTel C-Major Audio / AC97サウンド機能HDD：富士通製 MHV2100AT / 100 GB / Ultra ATA/100FDD：3.5インチ 3モード x1（Windows 98 / 2000 では 2 モード）光学ドライブ：パナソニック製 UJ-840S / DVD-R/RW/RAM ドライブPCカードスロット：TYPEI/II×2 / TYPEIII×1 /Card Bus対応メモリーカードスロット：SDカード / メモリースティック（Windows XP 専用）LAN：Realtek RTL8139 / 100BASE-TX/10BASE-T端子：USB 2.0 x4 / IEEE1394 / 外部モニター(1600x1200ドット）システム1：Microsoft Windows 98 Second Editionシステム2：Microsoft Windows 2000 Professional（Service Pack4）システム2：Microsoft Windows XP Professional（Service Pack3）システム3：TOWNS-OS V2.1 L31
ハードディスクのパーティションは以下の通りです。
Cドライブ：20 GB / Windows 98SE システムドライブDドライブ：20 GB / Windows 2000 システムドライブ（FM TOWNS モード動作可能）Eドライブ：30 GB / Windows Xp システムドライブ（FM TOWNS モード動作可能）Fドライブ：30 GB / データドライブ
FMタウンズモードでは、CPUが 486/66 MHz、RAM 8MB、HDD 340MB、16ビット PCM 搭載の、FM TOWNSⅡMX（93年発売の初代・白タウンズの最上位モデル）互換で動作するように設定してあります。TOWNSⅡMX 付属の「TOWNS OS V2.1L31」が HDD にインストール済みです。
TOWNS エミュレーションソフトを起動して、タウンズ用 CD-ROM ソフトを本機の DVD ドライブにセットした後、ソフト上からリセット操作をすれば、タウンズのゲームソフト等が起動します。なにも CD が入っていない場合は、HDD から TOWNS-OS が起動します。
オペレーティングシステムは HDD 全消去の後に各システムをマルチブートできる構成にてクリーンインストールの後、ドライバやシステムのアップデート用ファイル、サービスパック、Internet Explorer や Direct X やUSB Mass Storage Device Driversなど、必要と思われるソフト類を入れてあります。
.NET Framework や Visual BASIC / C++ などのランタイム類は、システムが重くなる原因になるため、インストールしていません。ハードディスク F ドライブの BIBLO フォルダ内に、それらのインストール用のファイルが入っていますので、必要な場合はインストールしてください。
なお、Windows 98 の市販ソフトで、.NET Framework やら Visual ナントカなどが必要になることは、ほとんどありません。一部のフリーウェア類で使う場合がありますが、必要がない限り入れない方がいいと思います。その種のソフトを入れない方が、システムの起動が高速です。
近年のWindowsでは動作しない、以下のゲーム等をインストールして、グラフィックやサウンド、キーボードやマウス操作など、正常動作することを確認しました。

・『 グラディウス デラックスパック 』（グラディウス 1 / II GOFERの野望）・『 新 英雄伝説 』（ドラゴンスレイヤー英雄伝説）・『 スーパーリアル麻雀 P5 』・『 スーパーリアル麻雀 P6 』・『 スーパーリアル麻雀 P7 』・『 ソーサリアン 』・『 ダライアス外伝 』・『 月箱 』（月姫 / 歌月十夜 / 月姫 PLUS+ DISC）・『 ときめきメモリアル ～ forever with you ～ 』・『 バーチャコップ2 』・『 バーチャファイター2 』・『 ハイドライド 1・2・3 』・『 Beast Orb 』（ザ・ブラックオニキス風の RPG）
Windows98SEモードにて、上記ソフトの動作を確認。サウンドは、PCM 音源、MIDI 音源、CD-DA 音源、すべて鳴ります。3D ゲームの『バーチャ』シリーズもスムーズに動きます。

・『 イース I・II 完全版 』・『 Microsoft Office 2003 Professional 』
こちらは Windows 2000 にて動作を確認。リリアがかわいいです（笑）

・『 東方紅魔郷 』・『 東方妖々夢 』・『 東方永夜抄 』・『 不思議のダンジョン 風来のシレン外伝 女剣士アスカ見参! 』・『 夢幻戦士ヴァリス COMPLETE 』（夢幻戦士ヴァリス 1 / 2 / 3 / 4）

こちらは Windows XP にて動作を確認しました。

FMタウンズモードにて、以下のタウンズ版ソフトが動作することを確認しました。
・『 システムソフトウェア V2.1 L31 』（TOWNS-OS）・『 あすか 120％ エクセレント Burning Fest. 』・『 アフターバーナー 』・『 エメラルドドラゴン 』・『 きゃんきゃんバニーエクストラ 』・『 第4のユニット ACT.1＆2 LINKAGE 』・『 第4のユニット ACT.3 デュアルターゲット 』

『エメドラ』は PC-8801 用の名作として有名ですが、タウンズ版は ボイス入り、CD-DA音源対応、256色グラフィックなど、かなりパワーアップしています。
『LINKAGE 第4のユニット』は、1作目と2作目のカップリング移植。こちらも、オリジナルよりグラフィックとサウンドが強化されています。このシリーズ、キャラデザが毎回ガラリと変更され続けますが、コレに収録の 2作目のブロンウィンが一番かわいかったと思います。
シリーズ 3作目『第4のユニット3 デュアルターゲット』。この作品あたりから、シリーズの作風がシリアス・ハードな雰囲気になっていきます。主人公の偽物との対決や、ハカイダーのようなライバル戦士との死闘など、ヒーローものの定番的な、わりと熱い展開も。
『きゃんバニ』は、音楽が PC-9801 版とはまったく異なっており、どの曲も素晴らしいです。雑誌ログインでもベストサウンド賞をもらっていました。スワティ編のラストには、不覚にもホロリとさせられました。
『アフターバーナー』は発売当時、X68000 版との比較で物議を醸しましたが、グラフィックは X68000 版より良いと思います。
対戦格闘ゲーム『あすか120％』は、後にプレステなどでシリーズが展開されて有名になりましたが、オリジナルは、このタウンズ版。ボタン 2つだけの比較的シンプルな操作性と、ダイナミックでスピーディーなアクションが面白い、タウンズ後期の傑作です。

フロッピーディスクドライブは、2HD（1.44 MB） のディスクのフォーマットと、データの書き込みと読み込みができることを確認しました。2DD（720 KB）のディスクは未検証です。
Windows XP では、フロッピーディスクドライブは 3モード対応になります。ただし読み書きのみ対応で、1.2 MB でのフォーマットはできません。PC-9821Ce と FM TOWNS II MX でフォーマットした、2HD（1.2 MB）のディスクの読み書きができました。
本体搭載の SDカードスロット は、Windows XP でのみ使用可能です。Windows 98 / 2000 では、ドライバーが組み込めず、使用できません。USB Mass Storage Driver は入っておりますので、USB 端子に接続したカードリーダーなどは Win98 で使用できると思います。
USB 端子に接続した、USB メモリ、USB 外付けハードディスク、メモリーカードリーダーが、XP で使用できることを確認しました。
Windows 2000 / XP の有線 LAN にてインターネットへの接続ができました。ただし、Win98 / 2000 / XP 用の古い Internet Explorer では、現在の Web サイトの多くは閲覧できなくなっています。F ドライブの BIBLO フォルダに入っている、Win98 / 2000 / XP 用・各最終版の Firefox や Opera をインストールすれば、多少マシになるかもしれませんが、これら古いシステムでのネット接続は、セキュリティ的に非推奨です。
Windows 98 側には LAN ドライバーを入れておりません。Win9x 系の仕様で、LAN ドライバーをインストールすると、システムの起動が数十秒から 1分近く遅くなる場合があるからです。Win98 用の LAN ドライバーは F ドライブの BIBLO フォルダと、添付のドライバー入り CD-R ディスクに入っていますので、必要でしたらインストールしてください。

付属品は以下の通りです。
・ FMV-BIBLO NB55L ノートパソコン本体・ AC アダプター + AC ケーブル・ 富士通製 USB 光学マウス・ ドライバー/システム/アップデート他 CDディスク（後述）
パソコン本体の他に、再インストールする際に必要なドライバやシステムインストール、現在は配布が停止されている Windows アップデートファイル、旧システム用の Internet Explorer や Direct X 、USB Mass Storage Device Drivers 他、前述のインストール済みソフトウェア類が入った、CD-Rディスク（ 34 枚）もお付けいたします。
動作することを確認済みですが、かなり古い品物で、経年相応の傷や汚れなどの使用感がありますので（個人的な主観では、年代の割には綺麗な