鎌倉期 古刀最上作【備州長船住景光 正中二年】

太刀 2尺3寸5分 梵字彫物 絶品古雅姿に見事な地刃

時代松葉塗鞘拵 『細野政守』在銘縁頭


■コメント■
ご覧いただきありがとうございます。

【太刀銘】
表『備州長船住景光』
裏『正中二年』

長船景光は光忠－長光と続く長船嫡流の三代目にあたり、
現存する製作年紀は鎌倉末期の嘉元から建武まで30余年にわたり
鍛えの良さに於いては父を凌ぐ程の上作が多く見られる事で名高く、
景光の代名詞である片落ち互の目の刃文の創始者としても知られます。

楠木正成が所持した「小竜景光」、上杉謙信の指料「謙信景光」など
景光の手による名物は刀剣史上で指折りの逸品として語り継がれており
古刀位列では堂々の最上作、まさに歴代備前鍛冶を代表する巨匠です。


本作は愛刀家様により秘蔵され初めて世に出る貴重な太刀です。

判読困難のため登録証では『銘不明』とされているものの
磨上茎に『備州長船住景光 正中二年』の底銘が残されており、
腰反り極めて高くついて先細くなり小鋒で結ぶ気品溢れる姿に
鎌倉期の備前太刀の特色を顕著に湛えた珠玉の古名刀です。

錬れた板目に杢交じる地鉄に地沸ついて差表に梵字を彫り、
刃文は細直刃が少しく湾れて小沸よくつき頻りにほつれかかり
刃中に無数の砂流し・金筋かかるなど古雅で見応えある出来口で
乱れと共に得意とした長船景光の上品な一作風を示しています。

物打下付近に二箇所の小さな刃切れが非常に惜しまれますが
鑑賞にはほとんど差し支え無く、それを補って余りあるほどに
姿・地鉄・刃文の全てに美しさを見せる文化財級の逸品です。


作域素晴らしい松葉塗鞘の時代拵に収められ、
江戸前期の名工『細野政守』在銘の武者図縁頭をはじめ
大ぶりな耳付木瓜形鉄鍔や時代ある銀着化粧ハバキといった
上手の金具をあしらった外装が本作の魅力に華を添えています。


長船を代表する巨匠『景光』在銘の奇跡的とも云える一振、
貴重な鎌倉年紀入の長寸太刀を末永くお手元でお楽しみ下さい。


ご不明な点などございましたらお気軽にご質問下さい。

■詳細■
◇◆ 寸法 ◆◇

刃長：71.2cm 元幅：2.68cm 先幅：1.58cm

元重：0.58cm 先重：0.36cm 反り：3.0cm 目釘孔：3個

刀身重量：556g

（素人採寸につき多少の誤差がある場合がございます）


◇◆
・物打下付近に二箇所、小さな刃切れがございます。
・その他、多少のヒケや鍛え等はご容赦下さい。
・拵は鍔にガタつきがありますが鞘・柄の収まりは良好です。
・古物にご理解をいただき神経質な方は入札をご遠慮下さい。
・各所、画像にてご判断いただき不明な点はご質問下さい。

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