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MASAKICHI.SUZUKI 鈴木政吉バイオリンの特4です。
特といっても1950年以降の特シリーズではなく、レアな初代の特シリーズです。この初期特シリーズはNo.1から5まであり、この楽器は上から2番目のグレードになります。
スズキのデータによると、製作された期間は1907年から1926年の間で、販売価格はからとなっています。
Masakichi Suzukiラベルの楽器はコレクターの間でも評価が高い楽器です。1920年時点のNo.11がですので、初代特シリーズはその値段からしても、後の特シリーズ同様別格扱いされていたことがうかがえます。（No.9.10あたりまではまたに見かけますが11、12は出品者も実物は見たことがありません。）

ラベルには
SUZUKI VIOLIN KOJOMasakichi SuzukiNAGOYA JAPANNo.S4
と記載されています。コインマーク、ナンバーともにはっきり読み取れる綺麗な
この時期のMasakichi Suzukiは、さらに前の時期のM.SUZUKIと比べるダークブラウンのニスが基調です。特シリーズはNo.1から5に上がるにつれてより杢がはっきりとしていきます。.この楽器もご覧の通りしっかりと杢が入っていて美しいです。
大変貴重な楽器ですので、出品にあたって下記のとおりメンテナンスを行いました。

・表板・裏板の補修・クリーニング・駒の調整・テールピースをボックスウッド（柘植）の新品に新調・顎当てをボックスウッドの新品に新調・弦の張り替え ALICE A708
弦高は指板先端駒側G線で5.5mm、E線で3.5mmです。表板・裏板ともに割れ、剥がれはありません。G線のペグが摩耗していて短くなっているので次回のメンテナンスの際にブッシングを検討されても良いと思います。駒はAubertの駒です。

試奏してみた感想です。（主観になります）
大変音量のある楽器です。G線からE線までバランス良く鳴っています。音色は枯れた深みのある音です。
張っている弦がナイロン弦でドミナント系の弦ですので、ヴィオリーノなども大変相性が良さそうです。木材もしっかり乾いていて響きも良く、しっかりと音が広がっています。ナットの高さも問題ないので、弾きにくさはなく、弦も押さえやすいです。
初代特シリーズは今から約100年前に製作された楽器です。ここまで古い楽器になると実際に演奏できる初期特シリーズは、スズキバイオリンの歴史を知る上でも貴重な資料でもあります。この機会にぜひご検討ください。

付属品・バイオリンケース（使用可能ですが、ですので輸送用程度にお考えください。）・楽器本体
（2022年 7月 1日 12時 27分 追加）e線弦高、3.8㍉です。訂正です。