ご覧いただき、ありがとうございます。 鹿児島の「編集工房スワロウデイル」からの出品になります。 現在、入手しにくくなっているものを中心に、少しずつ出品していく予定です。 オーストリア、ウィーン郊外のプリンツェンドルフ城を拠点とするアーティスト、ヘルマン・ニッチ（ニッチェ、1938年生、Hermann Nitsch）による『エルサレム陥落（Die Eroberung von Jerusalem）』（1974年）の英語版『The Fall of Jerusalem』（1997年、Atlas Press）です。英語訳はマルコム・グリーン（Malcolm Green）。 アントナン・アルトー（Antonin Artaud）の残酷演劇を文字通り継承する、血まみれのパフォーマンスの記録です。 本文は、基本的に英語テキストで、図版は、パフォーマンスの様子を写したモノクロの写真10枚のみです。 312部の限定版で、そのうち62部には、ヘルマン・ニッチがサインし、ヘルマン・ニッチのドローイングも付いています。 そのドローイング付きのサイン本、「46」番です。 血みどろの雨がしたたったあとのような、赤いマーブリングが、外函と表紙に施されています。 1971年作成の「エルサレム陥落」のための地図の複製（135×85㎝）も折りたたまれて、付属しています。 箱や本に、少し痛みやシミも出ています。ヘルマン・ニッチのパフォ－マンスも傷や痛みを主題としているので、経年変化は、そのテーマにあったものだと言うと詭弁でしょうが、ものとして「異物」感のある本です。 【状態】 ■外函サイズ：縦236×横214×幅27ミリ ■紙表紙本サイズ：縦229×横209×幅16ミリ。235ページ。 ■ヘルマン・ニッチのサインの入ったドローイング（1997年、縦218×横192ミリ）には、少しシミが入っています。 ■赤のマーブリングの色は生々しく禍々しいままですが、すこし擦れています。外函の角が、落下でついたと思われる打撲で痛んでいます。本のページの隅もその打撲の影響を受けています。 ■1971年の「エルサレム陥落」地図複製は、135×85㎝のものを22×21㎝におりたたんでいて、箱や表紙の赤い顔料がすれて付着。折り目にシミが出ています。 ◆