■出品は,Elacヴィンテージ・シリーズ中でも初期のSTS210用の専用ケース入りオリジナル針DM210で、珍しく素晴らしい音の動作品です。 ELACは御承知の通り、ステレオカートリッジを開発した世界最初のメーカーであり、その特許の使用をSHUREに許可して共にMMカートリッジ時代を先導しましたが、残念ながら商売上では宣伝上手なShureに敗れ、何時しか忘れ去られていました。 しかし、同じ特許、構造を使いながら、なぜかElacはShureの及ばぬ奥深い独特の音味で優れた音楽性を発揮することが近年ようやく再認識され、その真価があらためて知れ渡るようになりました。 一度この味を知ると、カートリッジは既にHi-Fi時代のElacで頂点に達していたのでは、と感銘を深くします。 ◆交換針、同プラ・ケースには経年の汚れがありますので写真でご確認ください。 カンチレバーは初期からの一般的なアルミ無垢材ではなく、中空パイプ型です。 しかし後期の軽量化が図られた無垢ダイヤではなく、標準的な接合型ダイヤチップですので、中期の製品なのでしょう。 いずれにしても製作されてから相当な年数が経ってますから、普通はダンパーの経年劣化で使い物にならない針が殆どなのですが、本品は珍しく初期のレベルを保っているようです。 そのため資料用に長期保存をしていたものですが、出品にあたり、レコード片面2枚程試聴した結果では、古さを感じさせない音で歪もなく良好でした。 針先チップは富士山型の良質なもので摩耗もそれほどないようです。 また後端のシールパテが一部剥がれ落ちていますが、中のシールキャップはそのままで内部に手を加えられた形跡はありません。（写真参照） 本針は珍しく音圧が高くエネルギー感も十分なので、オリジナルのまま出品致します。 ◆しかし、です。この状態がいつまでも続くとは思えません。 がしかし、ご心配はありません。 当方ではこの10年近く、Elacヴィンテージ・シリーズのダンパー交換、リ・チップで経験を積み、よりフレッシュに完全復活させるノウハウと技術を習得し、それを老年期の生き甲斐としています。 代わりのオリジナル針よりはるかに優れた音質の交換針も持っております。 詳しくは、ダンパー改造に関する資料を同封しますのでご高覧ください。 ご相談に応じます。 ◆標準指定針圧は、2.5～4.5g（普通3-3.2g）ですが、この針では後期の振動系軽量化針と同じく、1.5-2.5gくらいが良さそうです。 ◆◆同じ初期シリーズ、STS200,220,222,240, さらに後継機のSTS310,322,333とも針は共通で使用出来ますが、組合わせにより音味が大きく変わることがあります。 ■■本品は、特に年代を経たUSEDビンテージ品ですので、ご理解と愛情をお持ちの方のNCNRでのご入札をお願い致します。 ■■発送は「ゆうパック」（６０サイズ）を予定。 【 追記 】 ■■アナログ・オンリー派、Elac初期カートリッジ愛好家の皆様へ ◆ELACのお蔭です。あなた方には天才的な直観力があった！ 現在、オーディオの世界にのめり込んでいるマニアの方々の中には、若い時代から数十年の長きにわたり音楽を愛し、且つ音の世界に魅入られて、スピーカーを換え、アンプを換え、プレーヤーやケーブル等々を換えつつ、幾度かの失望と挫折を乗り越えながらも今なお、なぜか完全には満たされない気持ちを抱えている方も少なくないことでしょう。 オーディオ本来の目的である「演奏される音楽そのものに没入し楽しむこと」に一刻は成功してもやがてなんとなくの不満が出て、次々と機器や周辺装置をいじりだす。 この泥沼を脱し、安心立命の境地に至るのが難しい理由はなんなのか、「平均的収入」市民の、且つアナログ・オンリー派の視点ですが、その最大の要因らしきものをようやく見つけました。 ポイントは当然、音の入り口たるカートリッジです。 カートリッジはHi-Fi時代の初期に既に完成の域にあり、その後の発展過程で再生における「本質的な要素の何か」が見過ごされてしまったのではないか、という独断的私観が今回の発見につながりました。 ◆現時点で考えると、長年のカートリッジの研究開発、改良の視点が、トレース能力の向上、歪の低減、周波数特性重視、あるいは商業的にも派手な宣伝に繋がる機構や材料が主となり、実は肝心な部分の追及が不十分だったのではないかと思われるのです。 これは略70年以上も前の、Hi-Fi時代最初期に開発された“ELACヴィンテージ・カートリッジの一群”が、今なお多くの現代カートリッジの及ばない「音楽鑑賞には欠かせない何か独特の音味」を持っていることからの類推です。 化石のようなカートリッジにも拘わらず、優れものの片鱗が今なお感性を揺さぶるのです。 戦車を思わせるイカツイ筐体、アルミ丸棒から削り出されたバットのようなカンチレバー、世界唯一無二の外観は正に三葉虫かシーラカンス。 極端に細長く、軽量化された中空アルミパイプ、さらにはカーボンだ、ボロンだと新材料に拘った現代カートリッジを見慣れた目には「こんな形でまともな音が出るのか」と思わせながらも実は、今を時めく定番品の御三家、ORTOFON,DENON,そしてTECHNICA（それに同根のSHUREまでも） なども及ばない、真に音楽的な響きを醸し出すのですから不思議です。 このElacはMMですが、より高価なMC型にも引けを取りません。 むしろMMかMCかの論争、更にはモノラルかステレオかの論争も霞んでしまうかもしれません。 これは、騙されたと思って一度聴いて戴くしかありません。 また既にElacをお持ちでその真価を感じ取りながらもオリジナル状態のままで、いくばくかの不満をお持ちの方もおられるでしょう。 当り外れもありますが、このElacに限りオリジナル針信仰は無意味なのです。 経年を考えてもダンパー交換は必須で、むしろマグネットのより大きい後期の互換針では、より驚きの結果がダンパー改造で得られる可能性が大です。 （2022年 6月 16日 20時 45分 追加）◆ご質問を下さった「geru3901]様 折角ご質問と確認の再質問を戴きましたのに、間違った回答をしてしまいました。お手数をお掛けし大変申し訳ありませんが、もう一度質問欄からのご連絡をお願い申し上げます。