SANSUI SR-929 DD方式 レコードプレーヤー商品説明写真のカートリッジ、ヘッドシェルおよびRCAケーブルはテスト用で付属しません。

1977年発売。

トーンアーム型式：スタティックバランスS字型ワンポイント/ナイフエッジサポート
実効長：240mm
オーバーハング：15.6mm
適合カートリッジ自重：2g～11g(標準シェルの場合)
外形：幅490x高さ173x奥行381mm
重量：17.1kg

同社のフラグシップ機です。

手持ちのカートリッジ＆シェルを装着してテストしました。

電源スイッチをONにすると回転が始まる仕様です。ストロボランプが切れており、手持ちのストロボシートで回転をチェックしました。クオーツロックONでは、回転が少し遅く、速度調整もできません。クオーツをOFFにすれば、速度調整つまみで既定の回転数を維持できました（当方60Hz環境）。目立つ偏芯や異音もなく、なめらかな回転です。速度調整つまみがひとつなので、33/45rpmごとに速度調整が必要です。ストロボシートは付属しませんので、落札者様でご用意ください。最近は、スマホのアプリでも、計測ができるようですね（当方では試していません）。
上記なような状況で、経年品ですので、長く使う場合は、制御基板のメンテが必要でしょう。

プラッターは、装着すると目立たない存在ですが、リブ付の重量級です。

オリジナルのテーブルシートは欠品ですが、PioneerのJP-501を載せています。ややくたびれていますが、他のゴムシートとの音質差は圧倒的です。他のシートを導入する際のリファレンスになると思います。ほこりが付きやすいのが欠点。

アームの設定は、ゼロバランス、針圧印加、インサイドフォースキャンセラーの設定まで特に問題ありません。一聴して、非常にS/N比がよく、実に静かな音です（私感）。

アームは、サポートがワンポイントのナイフエッジ式という稀少なものです。同式にしては、がたも少なく、垂直方向の感度は極めて高いと思います。リフターの昇降も問題ありません。外観は、コストの関係か少し安っぽいところはありますが、単売アーム並の性能を持っています。アームベースの底板の強度も圧倒的です。高さ調整も可能で、このアームだけでも価値があると思います。
なお、写真にサポート後方にウエイトを横切る形でラテラルバランサーが装着されていますが、取付の左右が逆でした。なお、この部分は、サポートの動きを悪くするので、バランスに問題がなければとりはずした方がいいでしょう。
ウエイトシャフトのゴムの劣化でやや尻垂れしていますが、特に問題ないと思います。

キャビネットは、分厚いレジンコンクリートをパーチクルボードで覆った凝ったものです。塗装もピアノフィニッシュで、市販のプレーヤーとしては最も手間のかかったものでしょう。残念ながら、経年や使用に伴う傷やくすみがあります。また、レジンコンクリート部分のインシュレーター付近に少し欠けがあります。設置してしまえば見えない場所ではあります。

インシュレーターは、特殊なゴム素材のようですが、やや劣化が見られます。特に1個はセンターがずれていたので手持ちのゴム片を挟んで補修しています。利きはよく、システムの音色を左右しているようです。

ダストカバーは、割れや欠けはありませんが、傷が結構あります。ヒンジは金属製で強靭、開閉動作もスムースです。

その他、
スペックは、こちら。

英文ですが、こちらから取説やサービスマニュアルをダウンロードできます（要登録）。IFCの扱いなどは、初心者の方は目を通してください。メンテに際しても、参考になるかもしれません。

プラッター、ダストカバー、カウンターウエイトは、分離して梱包し、輸送事故を予防します。