古伊万里：江戸中期末全面文花唐草雲散(？)紅縁七寸皿③
珍しい文様、初めて見ました。花唐草だけの方が良かった様な...あまり見かけない文様です。賑やか過ぎて人気がなかった？次の注文が入らなかった？可能性、あります
ちょうど21㎝強の七寸皿、少し深さもあり使い勝手の良いサイズなんですが...盛り付けが難しそう、でも、面白い文様！です。飾って楽しんでいると...合う、合う、というお料理を見つけたりして...あるかもです黄色とは相性が良い様です。(柚子を前回のせて解った事ですが....)
大きな花唐草を全面に、雲みたい？な文様を上下に、薄濃濃淡を使い、おおらかに繊細に描いています。裏はシンプルに二重線描唐草、高台二重圏線に大きな二重角福銘、どきっとする文様、インパクトあります。
呉須発色は少し彩度を抑えた落ち着いた色、色は5番目の画像が一番近いかな、と思います。(青が少し強い薄紫という色の印象)江戸中期後半には、国内生産に切り替えた時代、少し上手風、少し粗め風の伊万里、結構あります。
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時代 江戸中期末、1750～1780年代前後口径 ２１.２㎝（２１.３）全高 ２.８㎝（３.３）キズではありませんがご確認戴きたい詳細：
側面成形の不具合で左右全高差有、全高差・画像参照（反り部の高さの不具合、座りに支障無）見込に微かな凹凸多少、目立たず座りに支障無紅滲有、紅縁の半分程、画像参照紅縁に極小ムシクイ・凹凸・紅濃淡斑多少雲散部に1㎜と2㎜の釉切凹有極小灰振・釉切・シワ・凹凸・釉スレ・濃淡斑滲多少
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江戸初期に日本で初めて磁器が生産され伊万里と呼ばれました。
(1610年代)江戸時代の伊万里全てを古伊万里と呼ぶ事多いです(現在の佐賀県有田周辺で作られ、伊万里港から出荷)
江戸中期前半、伊万里は当時の高級品でした。殆どの日本人が伊万里の存在さえ知らなかった時代です。(当時器は木製、漆器、陶器が主流、一握りの富裕層のみ使用)最盛期の伊万里は、後の時代の伊万里とはかなり違います。
1750年前後、伊万里の国外輸出が終了します。江戸中期後半、国内に販路を広げる為、伊万里では価格の多様化が始まり、大量生産の時代に向かいます。
江戸後期の伊万里について知っておきたい事
江戸幕府体制に陰りが現れ国が徐々に騒がしくなります。日本初の磁器生産を果たした伊万里の里、有田周辺では、文政期に、主な窯場が台風の大火におおわれ、大きな被害を受けました。伊万里陶工たちの一部は諸藩に散らばりました。技術の流失です。その後磁器生産が各地で始まります。
文政期の大火事で有田皿山周辺は焼け野原となりました。佐賀藩は、窮乏から生まれた近代化への改革を始め復興を遂げます。藩の援助もあり、伊万里も復興を果たしました。輸出の再開が始まり販路が広がります。藩に残った熟練工たちの技術を生かし、上手伊万里が多く生産されました。幕末期の銘品は意外に多いです。
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